チョコラ!

ボラステではニュースレターを発行していて
封筒の裏に一筆添えることがあります。
今上映中の映画「チョコラ」の監督、小林茂さんとは
「こどものそら」「わたしの季節」をボラステで上映したのが
縁でニュースレターをお送りしているのですが
たしか監督には「チョコラのご案内をいただいているのに
見そびれています、まだやっているのでしょうか」と書いた気がします。
すると早速お電話を下さり、
「ユーロスペースで上映しています」と留守番電話にメッセージに
残してくださっていました。

よし、行こう!と決めるとボスも今日しか観にいく時間がないというので
一緒に観てきました。

6月12日まで渋谷ユーロスペースで上映中。
http://www.chokora.jp/

チョコラとはスワヒリ語で「拾う」という意味だそうです。

ケニアのティカという街のストリートチルドレンを撮った映画なのですが
ことばにすると、イメージが出来上がってしまうので、
詳細はHPを観ていただくとして、

観ていて、“どの国の子どももしんどい思いをしているんだなー”
ということでしょうか。

日本の子どもたちが観たらどんな感想をもつだろう。


ストリートチルドレンといわれる子どもたちは
孤児というわけではなく、両親がいて家もあるのに
家出をしてしまうのです。
そしてプラスチックや金属を拾う生活をしている。

これは一体どうしてなんだろう。
映像は、松下照美さんという支援者と子どもが
両親のもとへ行く、というシーンも収められていますが
親と会った時の子どもの顔は、ふーっと瞳(心)が閉じる様子が
見えます。

両親は子どもたちを疎ましく思っているところがあるようです。
どうしたらいいのか、もてあましている、というのかな。

でも、多産。

性行為はあって、子どもができたら育てるけれど
愛情を注ぎ続ける、ということが難しいのかもしれません。

日本であろうとケニアであろうと
親と子の関係はどこか共通しているものなんだな、と思いました。

教育を受けているとか
先進国であるとか
そんなことはあまり関係がないかもしれません。

印象的だったのは26歳のHIVウィルスに感染している
シングルマザー。
彼女には二人の子どもがいるのですが、
マイケルという泥んこになって帰ってきた男の子を
石鹸でごしごしと洗うシーンや
食事の前の祈りや
彼女は夜の仕事をしているようなのですが
友人女性に外から声をかけられ「先に行っていて」という彼女に対し
娘の「行かなくていいの?」という声が
胸に響きましたね。
その後、お母さんである彼女は子どもたちとベッドの中に入るのですが
子どものはしゃぎっぷりといったら観ていて笑顔になります。
私の小さいころにもこんな風にはしゃいだことがあったかもしれないな、
と思い起こさせるシーンでした。

HIVに感染した彼女はいつか死んでしまうでしょう。
この世に残される二人の子どもは母に愛された記憶が
残るでしょうか。

小林茂監督の映画は「生命力、いのち」を映し出します。

「こどものそら」は札幌にある障碍のある子もない子も受け入れる
学童保育の子どもたちを撮った作品で、
この映画に登場する指導員のゾウさんこと吉田泰三さんが
今回の「チョコラ」の撮影を担当していて
テロップを見て驚きましたが
あの映画は大笑いして観た記憶があります。
とにかく、元気一杯の子どもたちでした。

「わたしの季節」は滋賀県にある、びわこ学園という
重症心身障碍者施設に入所している人たちを撮った作品で
静かに彼・彼女らを映し出すんですが
静けさの中から「いのち」が浮かび上がってくる映画です。

静と動の「いのち」を撮れる小林監督。

今回の「チョコラ」はそのどちらもが映し出された作品です。

ドキュメンタリー映画は昨今とても増えましたが
被写体とじっくり向き合う作品というのは
意外と少ないです。
被写体とがっぷり四つを組む、そしてこの作品を世に出すんだ、という執念
久しぶりに製作者のエネルギーを感じた映画でした。

全国での上映も控えています。
みなさんのお近くで上映があるようでしたら
ぜひとも足を運んでご覧いただければと思います。



2009年06月09日 Posted byボラステ at 03:29 │Comments(0)本・映画

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